今回は Lake Technology社のContourとMESA EQのフィルターのBandWidth(BW[Oct])に関して,一般に使われているBWとかなり違っていることに関してのレポートです。 |
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Chart-1はLakeから出されている,QとゲインとBWの関係に関しての換算表です。
Q=10.2 Gain -15dB でのBW[oct]は0.33octであり,Q=8 Gain -10dB でのBWも0.33octです。[上2行]
Q4.36は一般的な回路での0.33octの場合のQです。ゲインによって0.43から0.75までBW[oct]が異なっていることが読み取れます。[下3行]
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chart-1 Q to bandwidth conversion |
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Chart-2は換算表から導き出した一般的なBWに対してのQからchart-1を使って,LAKEの対ゲインにおけるBW[oct]を換算した表です。
これより読み取れることは,ゲインが大きいほどBW[oct]の値は一般的な値に比べて大きくなり10dBで約1.7倍15dBで約2.1倍くらいになっています。
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chart-2 |
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Chart-3はDCP-10における,実際のフィルター特性からBW[oct]を導き出した表。左側は中心周波数102Hz,BW[oct]0.32(DCP-10表示)のそれぞれのゲインでの値,右側は中心周波数5.04KHz,BW[oct]1.0(DCP-10表示)のそれぞれのゲインでの値.
-15dBにおいては,表示上のBW[oct]に近い(0.35)が,ゲインが少ないとBW[oct]は大きな値となっています。
-15dB->0.35
-10dB->0.56
-5dB->1.15
一般的なEQはこのように,レベルが低いと大きなBWになっています。
そのままのBWだとレベルが低いときの変化量が少なすぎて,効かないEQといわれることになります。
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chart-3 |
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fig-1はChart-3の-15dBゲインにおけるDCP-10のトレースカーブ[白色] とそれに一番近い値にしたLAKE Contour AUX段のPEQ[青色] とContour 入力段のPEQ[ピンク色]を表示してあります。
DCP-10のBWが0.32と1.0に対して,contourは0.79と2.27
でほぼDCP-10のBW[oct]の2.3倍近くの値になっています。
入力段のPEQ[赤]の肩特性が他と異なっているのが読み取れます。
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fig-1の-15dBのゲインの時に比べて
BW[oct]の3倍近くの値になっています。
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fig-2 |
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fig-2の-10dBのゲインの時と似た状態
BW[oct]の3倍近くの値になっています。
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fig-3 |
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-15dBでのBW[oct]0.33(lakeでの値)はchart-2の一般的なBW[oct]より0.14になると読み取れます。
実際Q=10.3はBW[oct]0.14。1/7オクターブのフィルターといえます。
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fig-4 |
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本当のGEQではないため,位相は乱れません。 |
fig-5 |
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フィルターの合成の頂点を結んだ白線のカーブは実際の合成されたフィルターの形にかなり近い表示になっていると思われます。 |
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fig-7 DCP-10 vs BSS FDS-366 |
fig-8 DCP-10 vs YAMAHA DM1000
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fig-9 DCP-10 vs DSM-02
**同じATLのDCP-10とDSM02のEQの表示BWとカーブが異なっていました。*** |
fig-10 DCP-10 vs DN-8000 vs Soundcraft spirits EQ
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今までのパラメトリックEQとBW[oct]がかなり異なっているため今まで通りの値を当てはめても同じようには動作しないと思われます。荒っぽい言い方をするとBW[oct]を3倍に換算していいのではないかと思います。 |