CEU of MSL-5
MSL-5の問題(1)

Updated 10/23/1996
Rported by Fukumoto from Mr.children tour

 

 MSL-5に関して、アルテで問題になっていることですが、高域にパルス的な信号が入ると、スコーカ成分の音がふわっと無くなってしまう現象が起きます。「MSL-5の息継ぎ現象」と我々は呼んでいるのですが、ようやく、この原因がつかめてきました。

 MSL-5のCEUであるM-5は、他のプロセッサーと違い、VHFリミッターが付いていません。信号がリミッターにかかるレベルに瞬時に到達したとき、高域が一瞬、聴感上「無音」になります。ATLとの連絡の結果、電気的にも同条件の場合、800Hz上を中心にほぼ0dBになる事が解ったそうです。なお、MSL-10のCEUであるM-10AにはVHFリミッターが2WAYですが、付いています。

 実際のライブの音楽信号では800Hz位のピークは少ないのですが、スネア・Voのハイエッジ・トップシンバルの連続の金属的な(鋭利な)音等に、過敏にこの「息継ぎ現象」が起こります。例えばシンセサイザーの連続音(長音)の中でドラムスのトップシンバル等が鋭いピークでプロッセサーに送られた場合、普通であればシンバルの裏でシンセの音は連続して聞こえなければいけないにも関わらず、それらの音が息継ぎして聞こえる事があります。
 同じアーティストでも同会場でのライブの音量は日によって微妙に違うのでこの現象が毎日顕著に出るとも限りません。ある複数の条件が揃ったときのみにいきなり容赦なく息継ぎ現象がおこります。曲の頭からRMSリミッターが働いている時はそれほど感じないのですが、(連続音の中でも条件が揃えばいきなり起こります)リミットしていない状態からいきなり高周波のパルス的な信号が入ると、突然起こります。おそらくVHF帯域のピーク成分が一番影響する可能性を秘めているのでしょう。「息継ぎ現象」が起こったLiveをDATに録音して、再現を試みても聴感上には殆ど再現できません。DATでもある程度つぶされているのでしょう。

 ATLからの情報では、M-3TでもM-10Aでも基本的には回路は同じなので、この現象が起きる可能性はあるとのことです。ここで、M-5にもVHFリミッターを付ける必要があるか否かと、いう問題になります。現在はドミネーターを使ってピークを削っているのですが、(それでもある条件が整うと再現します。)他に良い方法があるのか、悩んでいます。
今のままでは生(なま)音楽主体のPAに関してはドミネータは欠かせないという結論です。

 この問題がUSAおよびヨーロッパ等で発生していないのか、調べてみる必要があります。日本だけの現象かも解りません。単に大音量で使っているためか、電源の問題か・・・ 。

 

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